1型糖尿病 OPINION

1型糖尿病は「治る」のか? 1型糖尿病治療の方法とは

今回のテーマは「1型糖尿病は「治る」のか? 」という非常にシンプルなお題です。
「治る」の定義としては、風邪のように「病気にかかり、何かしら症状が出たが、治療によって治療をしなくても問題ない状態まで回復する」とします。

1型糖尿病は現在医学では治らない

結論から言うと、「1型糖尿病は現在医学では治らない」です。

はっきりしすぎていて悲しいですが、これは紛れもない事実です。

2型糖尿病については、病気の性質上、早期の治療を行い、生活習慣を改善していく事で、限りなく完治に近い状態に持っていくことは可能ですが、1型糖尿病については「完治・根治」すること = すい臓の機能を回復させて、自分でインシュリンが出せるようにする。というのは現在の医学では未だ不可能というのが事実です。

ただし、
研究者の方々の努力によって、治療の方法は医学の発展に伴って、日々進化を続けています。完治させるのはまだ難しいですが、治療法の進化によって、我々1型糖尿病患者は確実に、治療しながら過ごす日常が良くなっているんです。

そもそも、すい臓で作られる「インシュリン」が、血中の糖度を降下させるホルモンであるということが発見され、糖尿病の治療薬として使われるようになったのが、今からわずか100年前!!のことなんです。(発見者たちはノーベル賞を受賞)
なので、それまでは、糖尿病の治療自体ができなかった(= はっきりいうと、病気の進行を止める術がなく、最終的には死ぬしかなかった...)んです。

そんな大発見が起こった100年前から今まで、糖尿病治療は常に進化をし続けており、この記事では、現在行われている主な糖尿病治療の方法に関して伝えようと思います。

この記事も、情報がアップデートされる度に随時更新していきたいと思っています。
読者の皆様も、治療に関して最先端の情報があれば随時教えてください! mm

糖尿病の治療の基本と、具体的な治療法について

糖尿病の治療の基本は、

  1. 血糖値を測定し、その時の血糖値に応じた適切な量のインシュリンを打つ(低い場合は糖分捕食)
  2. 上記を行いながら、食事の糖質量を制限したり運動によって血糖値を下げる

です。

1.に関しては1型糖尿病患者においては特に「強化インシュリン療法」と呼ばれる治療法が一方的です。(2.の食事療法や運動療法に関してはこの記事では触れません。)
そんなインシュリン療法の中でも、現在確立されている治療法が主に2パターンあるので紹介します。

頻回注射法

これは一般的なインシュリンでの治療法で、発症して間もない方は基本的にこの治療法からスタートするかと思います。僕自身も、発症から現在まで、この治療法で治療を行なっています。
体内で不足するインシュリンを、
長く効く(時効性)基礎インシュリンと、短時間で作用する(速効性)追加インシュリンに大きく分けて、だいたい1日4回の注射を継続的に行なって治療していきます。
僕の場合は、朝、時効性のインシュリンを1回注射し、あとは食事毎に3回、プラス必要だったら(足りなかったり、お腹が減って捕食時)追加で注射しています。

↑ 実際に僕が使っているペン型インシュリン注射器(奥から時効性のトレシーバ、速効性のヒューマログミリオペン、超速効性のルムジェブ)

インシュリンポンプ療法

これは、ここ数年で急速に研究が進む中で、新しく出てきた治療法で、
身体(だいたい腹部が多い)に、常時針とチューブ(カニューレ)を刺して、そこに接続する機械(ポンプ)で、常時血糖値を持続的に測定し、適切なインシュリンの量を自動的に入れてくれる治療の方法です。
機械で半自動的に、血糖値を適正値にコントロールしてくれるという画期的な方法です。

それぞれのインシュリン療法のメリットについて

2つの療法は表裏一体で、それぞれ両方のメリット(&デメリット)があるので、解説していきますね。

頻回注射法

ポンプに比べて治療コストが安いだいたいの目安で、頻回注射だと、保険3割負担で、1.5万円/月の治療費に対して、ポンプだと、月に3万円近くの費用がかかってきます。
・ポンプだと、針が抜けてしまったりのリスクがあるので、特に激しい運動に向いていない(?)。実際につけたことがないので印象で言っている部分もありますが、僕は、相手との身体的接触があるような激しいスポーツをやっている関係で、これは大きなリスクに感じました。運動時に外すのも可能みたいですが。
・ポンプは、サウナや温泉の時にも外す必要がある。個人的に、サウナにも良く行く(週1回以上)ので、ここもネック...

インシュリンポンプ

・常時、半自動で、必要インシュリンを打ってくれる。なので、自分にとって安定した血糖値にコントロールしやすいという大きなメリットがあります。
・夜間を含め、自分で血糖値を測れない時にも、機械が判断して、血糖や高血糖を察知して教えてくれる。

上記を踏まえて総合的に判断して、
僕の場合は、自分で血糖値を測りながらの頻回注射の方が向いていたので、発症当時からの、ペン型インシュリン注射と、フリースタイルリブレ(血糖値を持続的に測ってくれる機械)を活用しての頻回注射法での治療を行なっています。

ただ、最近、歳とともに激しい運動の頻度は減ってきている(サウナに行く頻度は増えてますが笑)ので、今後ポンプでの治療は検討してます。
でも、費用がけっこう高いのはネックですね…
月に1万円以上治療費上がったら、年間で12万円くらい治療費が高くなる計算になりますからね…これは痛い...

それでは!

  • この記事を書いた人

YOSH

2018年~ 1型糖尿病という10万人に1人の難病を発症。 「1型糖尿病でも好きに生きる」をテーマに、病気のこと、インターネットのこと、趣味について発信しています。

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