1型糖尿病

【受給決定】1型糖尿病での障害厚生年金取得の道のり

1型糖尿病でも好きに生きる」をテーマにブログを書いています。yosh(@YOSHLIFE01)です。

受給決定してからだいぶ時間が経過しましたが、無事に1型糖尿病での障害厚生年金(年間で約58万円!)の受給が確定しました!かなり大きいです!

ので、ご報告と、これから申請を検討している同じ1型の患者さんに向けて、受給決定までの道のりを綴っていきたいと思います。

前提の整理

・障害厚生年金と、障害基礎年金は異なります。今回は、「障害厚生年金」についてです。
・僕は、大学を卒業して、働き始めて、3年目での1型発症(=診断)となります。
・申請時点で、1型糖尿病のみの診断で、その他の合併症や病気は、発症なしの状態でした。
・申請は、診断されてから、1年半経過してから可能になるので、そのタイミングで申請しました。(遡及 = 遡って請求可能なので、過去の分も請求しています)

障害基礎年金と障害基礎年金の違い

障害基礎年金と障害厚生年金は、名前は似ていますが、受給可能な要件が異なります。
以下、年金機構のホームページからの引用となりますが、以下のように記載されています。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

<中略>

国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やけがで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。

<中略>

厚生年金に加入している間に初診日のある病気やけがで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。

障害厚生年金・障害手当金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

つまり、障害厚生年金を受給するには、
・障害基礎年金は1型糖尿病の診断のみだと受給できない
・20歳以上で、就労しており厚生年金に加入している
のが前提のルールとなっているということですね。

なので、幼少期等(20歳未満)での1型発症は、原則申請の対象外になってしまうということです。

これは、不当ということで今まで何度か物議を醸してきたトピックでもありますが、本記事の目的とはズレるので詳しく書くのは控えさせていただきます。暫定的には、このような決まりとなっています。

僕は、働き始めてからの発症(=診断)になるので、こちらの要件は満たしており、障害厚生年金の申請対象になります。

また、障害厚生年金で2級以上に相当する症状は、かなり重度なので、1型糖尿病のみでの申請(ほかの病気や合併症等なし)の場合は、3級での受給を目指すことになります。

1型糖尿病での障害厚生年金の認定基準

続いて、糖尿病で障害厚生年金を受給を目指す場合の要件を記載していきます。
受給の前提としては「必要な治療を行っていてもなお、血糖コントロールが困難な症状の方が対象」という考え方に基づいています。

より具体的に、平成28年6月の改訂以降、1型糖尿病での障害厚生年金の受給要件は以下の通りとなっています。

1型糖尿病での障害厚生年金受給要件

  1. 90日以上のインスリン治療を行なっている方 ¬ 1型糖尿病患者であれば、基本的に当てはまります
  2. Cペプチド値、重症低血糖、糖尿ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定程度の方(以下詳細)

    内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が、0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの ¬ 劇症1型糖尿病の場合、原則この基準はクリアしているそうです(主治医談)

    意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

    インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
     区分イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの(例えば、軽い家事、事務など)
     区分ウ 歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
  3. 日常生活の制限が一定の程度の方

道のり(実際の僕の手順)

社労士事務所(障害年金サポートセンター)に連絡

まずは、1型糖尿病での障害厚生年金の申請、受給の実績のある近くの社労士事務所を調べて連絡しました。

事務所に来てくださいということで、行きましたが、幸い都内在住なので、すぐに行ける距離に事務所があったので、1度相談で訪問しました。(ちなみに、訪問したのは、1度だけで、その後はメール、電話、書類でのやりとりで済み、助かりました)

相談の際に、就労状況や、診断された日などを回答しました。
発症(=診断日)から1年半が経過しているため、障害厚生年金申請の資格があるということで、1時間程度相談した後、契約に必要な書類を受け取り帰宅しました。(発症から1年未満だとNGです)

その後、手続き開始に当たって必要な事務手数料(¥22,000)を振り込み、正式に依頼スタートとなりました。

社労士事務所の選定にあたっての大事なポイント

・必ず過去に受給実績のある社労士さんを選ぶこと(「1型糖尿病 障害厚生年金」と調べると受給実績を記載しているところがあるので、実績のある最寄りの社労士事務所に相談するのが大事です。特に、障害年金の受給申請を得意とするところがおすすめです!)
社労士さんに、診断書の書き方を相談した上で、医師に診断書作成を依頼すること(過去実績をもとにどういう書き方をすべきかアドバイスしてくれます)
・もし、今回の申請で通らなくても、一定期間を経たのちに、再度請求することが可能。(再度請求のタイミングも社労士さんに相談)

受給申請の手続きは、社労士などの専門家の手を借りずに行うことも可能です。
その場合、社労士さんに支払う手数料や成功時の報酬が必要なくなりますが、書類の書き方や、作成にかかる時間を考えると、専門家に依頼するのがベストだと思います。(また、一度審査に落ちた後の受給申請は、通りづらくなるとも聞きました...!)

申請に当たっての提出書類の準備

社労士さんから、申請に必要な準備の依頼や、通院している医師に書いてもらう診断書が送られてくるので、準備しましょう。

婚姻関係の有無など、場合によっては、異なるかもしれませんが、概ね同様のはずなので、僕が社労士さんに提出した書類を例として記載しておきます。

申請に必要な書類(社労士に送付したもの)

認定日(=診断日)の診断書 ¬ 診断日に通院した病院や医師に書いてもらう
現在(申請時点)の診断書 ¬ 現在通院している病院や医師に書いてもらう
・預金通帳のコピー(受給決定したらこの口座に振り込まれます)
・戸籍謄本(申請の1ヶ月前の発行日のもの)
・配偶者の基礎年金番号(結婚している場合)

僕の場合は、発症当時と病院、医師が変わっていなかったので、必要な2枚の診断書を、別で取り寄せる必要がなかったのは楽だったポイントです。
発症から、時間が立っている場合は、元の病院から取り寄せたりする必要があるため面倒ですね...

また、社労士さんが事前に、医師に、診断書を依頼する際に、書き方を記載した医師向けの手紙を同封してくれたのは、医師への依頼時に非常に助かりました。

診断書一式は、約¥10,000程度でした。(はっきり覚えてなくてすみません...)

申請書類の提出後 ~ 受給確定まで

上記の書類一式を社労士さんに送付したあとに、書類を取りまとめて、代理で申請してもらいます。

なので、この期間は、書類の不備がなければ、特にやることはありません。あとは神頼みくらいです...

社労士さんに書類を送付して、申請もらってからおよそ6ヶ月後...

年金機構から手紙で受給決定の通知が届き、無事に受給決定したとのことでした!

受給決定後

さて、受給が決定してからですが、

受給が確定した旨を、まずは、社労士事務所に報告しました。
基本的には、どこに依頼しても似たような料金形態だと思いますが、僕のところは、成功報酬(審査に落ちてしまったら払う必要なし)で、受給額の2ヶ月分だったので、約¥100,000を支払いました。

続いて、診断書を書いてくれた病院の先生には、菓子折りを持ってお礼しに行きました。
今まで診てきた1型糖尿病患者で、障害厚生年金を受給できた事例がほとんどいなかったと言っていたので、個人的にもそんなに期待してなかったので、よかったです。
普段の診療ももちろんのこと、こういった要望にも快く応じてくれるのは非常にありがたいですね!

受給決定した金額と、手続きにかかった費用について

時間が経ってしまったので、ざっくりですが、受給された金額と、費用について記載しておきます。

振り込まれる金額

・受給金額 年間 +¥584,000(1ヶ月おきに、偶数月に、2ヶ月分の金額が振り込まれます)
・遡及での受給金額 1年半分で約 +¥870,000

申請の手続きにかかった費用

・社労士事務所への手数料 -¥22,000
・社労士事務所への成果報酬 -¥100,000
・診断書作成依頼費用 -¥10,000
・その他の事務手数料(戸籍取り寄せなど) -数千円

長くなりましたが、障害厚生年金受給のまとめでした!
意外と、知られてない制度なので、対象となる方は、ぜひ活用してみてください。

受給済みの年金は、治療費はもちろんですが、一部は、同じく活躍している1型患者さんのサポートに充てさせていただいております。

また、更新の手続きが将来的に必要になるようなので、追記できたらと思います。

それでは!

  • この記事を書いた人

YOSH

2018年~ 1型糖尿病という10万人に1人の難病を発症。 「1型糖尿病でも好きに生きる」をテーマに、病気のこと、インターネットのこと、趣味について発信しています。

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